北海道のYOSAKOIソーラン祭り、みちのくYOSAKOIまつり(宮城県)、能登よさこい祭り(石川県)、そして関東圏でも東京よさこい(ふくろ祭り)などで見られる「よさこい踊り」は、その賑やかさと活気溢れる若者たちのパフォーマンスが魅力です。
その「よさこい踊り」の本場である高知県のよさこい祭りをご紹介します。
高知のよさこい祭りの歴史「日本の成長と共に進化する現代版舞踊」
高知の街中がカーニバルのような賑やかさへと変わる「よさこい祭り」の歴史は若者たちが踊りを現代風にアレンジして進化させていくチャレンジ精神に見るように、それは戦後のどん底から這い上がった日本の姿と重ねることができます。
よさこい祭りは、1954年(昭和29年)に高知商工会議所の有志が街の経済復興を目的に企画し誕生し、初のよさこい祭りでは、21団体750人の踊り子達が参加して「よさこい鳴子踊り」を披露しました。
この頃、戦時中の旧日本軍(陸軍朝倉歩兵236連隊)内で自然発生的に歌われていたという古里ソング「南国土佐を後にして」が高知のラジオで流れ始め、歌の後半部に「よさこい節」が流れていたこともあって、高知の人々の連帯感と街の復興へと向ける熱気は一気に高まっていきました。
1958年(昭和33年)になると、東京の歌手である、ペギー葉山が「南国土佐を後にして」をNHK高知放送局で披露したことによりテレビ時代の幕開けと共に歌は日本全国へと広がっていきます。
また「南国土佐を後にして」の映画化によって、一気に土佐ブームが日本中を包みこみ、高知のよさこい祭りは全国に知れ渡り参加者は47団体、2500人へと増えていきました。
その後日本の高度成長の波に乗って、高知よさこい祭りの規模と人気も拡大していき、1970年には世界の祭りへと出場を果たします。平成時代の高知市制施行100周年に当たる年には、祭りの参加者は1万5千人を記録しました。
「多くの人々が楽しめる、時代と共に進化していく祭りであってほしい」というよさこい祭りを発案した高知商工会議所の当時の有志達の願いは常に洗練されたエネルギッシュな演舞を披露する若者たちの姿に受け継がれています。
それぞれが色鮮やかな衣装をまとい、サンバやロック等の要素を踊りに取り入れて、個性を競うスタイルへと進化して「よさこい踊り」は現在に至ります。
よさこい祭りの見所
よさこい祭りに参加する各団体の踊りや人数は、次のルールのもと構成されています。
- 1チーム150人以下であること。
- 1チームにつき一台の地方車(音響設備搭載車)
- 踊りは「鳴子を鳴らしながら全身する振り付けであること
- 曲には「よさこい鳴子踊り」のワンフレーズを必ず入れること(アレンジは自由)
この自由度の高さが人気で、多くの若者達に支持され愛される「よさこい踊り」ですので、若者たちの洗練されたアイデアが光るカラフルな衣装、息のあったキレの良い華麗な舞がよさこい踊りの見どころと言えるでしょう
高知のよさこい祭りは8月9日から8月12日の3日間にかけて行われます。前夜祭の舞台である中央公園では、昨年のよさこい祭りの受賞チームがステージで演舞しますので、混み合う前に座席を確保出来れば贅沢に素晴らしい演舞を観覧できます。前夜祭の後半は盛大な花火大会が行われますので合わせてご覧下さい。
8月12日の後夜祭では、日本全国から「よさこい踊り」好きが集まった全国大会が行われますので街中のお祭りムードは最高潮となり大変な賑わいとなります。
表彰式で見られる参加者達の涙や歓喜の笑顔には、祭りの達成感が満ち溢れていて爽やかな光景が広がります。
2019年度よさこい祭りスケジュール
- 8月9日(金)
16:00〜 祈願祭(中央公園)
17:20〜22:00 前夜祭り(中央公園)前年受賞チーム演舞披露
19:30〜21:00 花火大会(鏡川河畔) - 8月10日(土)〜11日(日)
11:00〜21:30 高知市内各舞台にて開催 - 8月12日
12:30〜 高知城にて開会式典
13:15〜 全国大会開催
18:30〜22:00 受賞チーム表彰(中央公園)
当日の詳細スケジュールや祭り開催期間の競演場、演舞場のご案内の地図、交通規制の地図などは下記公式サイトでご確認下さい。
参考
まとめ
四国山大祭りのひとつとして、毎年100万人の人出で賑わう高知よさこい祭り。
参加するチームは200組とも言われ、それぞれのチームの個性や特徴は十人十色、千差万別のカラフルな衣装や斬新な振り付けや踊りが魅力です。伝統はそのままに、若者たちの幾多のアレンジに満ちた現代版舞踊の観覧が贅沢に堪能できる全国のよさこいの祭典である高知よさこい祭り。
実際に会場まで足を運んで、その熱気を感じてみませんか。