8月10日は鳩の日です。
今回は、「鳩の日の由来」「鳩サブレーはなぜ鳩なのか」「クッキー・サブレー・ビスケットの違い」「鳩がなぜ平和の象徴とされるのか」「鳩はなぜ歩くときに首を振るのか」についてお伝えします。
鳩の日の由来
8月10日は鳩の日です。語呂合わせということ以外は、有力な情報はありません。
8月10日には、「鳩サブレー」の豊島屋さんが限定商品を発売することが多いです。
鳩サブレーはなぜ鳩なのか
鳩サブレーはなぜ鳩なのか?
これは、ひと言で言うと「創業者の思い」です。商品名は「鳩サブレー」と伸ばします。鎌倉の「豊島屋」さんが明治の時代に誕生させたお菓子です。
当時は、バターの味に慣れていない日本人には不評だったそうです。鶏のエサにされていたというお話もあります。
今では伝統のある代表的なお菓子となった「鳩サブレー」。豊島屋の初代店主である久保田久次郎さんのエピソードは、公式サイトの「鳩サブレー 鎌倉生まれ 鎌倉育ち」のページに詳細が掲載されています。
初代の久保田久次郎さんは、鎌倉の「鶴岡八幡宮」を崇敬していました。「鶴岡八幡宮」の本殿の掲額の「八」の字を見てみてください。
「八」の字は、鳩の抱き合わせになっています。
久保田久次郎さんは、ずっと「鳩」をモチーフに何かを創ろうと考えていたそうです。「サブレー」のほうはフランスで食べた経験があるそうですが、「三郎」との語呂合わせの感覚もあったのだとか。
このあたり、公式サイトの「鳩サブレー 鎌倉生まれ 鎌倉育ち」のページでは、ちょっとした物語になっています。興味のある人は読んでみてください。
クッキー・サブレー・ビスケットの違い
材料は、ほとんど同じではないかと思われる焼き菓子。クッキー・サブレー・ビスケットの違いを整理してみました。
まずは、国の違い。
クッキーは、アメリカから伝わった焼き菓子。サブレーは、フランスから伝わった焼き菓子。ビスケットは、イギリスから伝わってきた焼き菓子。
次に見ておきたいのは、こちら。
「一般社団法人 全国ビスケット協会」の「ビスケット類の表示に関する公正競争規約及び同施行規則」による「表示」に関する決まり。
最大のポイントは、
これがクッキーと表示して良い条件としています。
詳細の文章は、次の通り。
▼引用
(種類別名称)
第3条 規約第3条第1項第1号アに定めるクッキーとは、次に掲げるものをいう。
(1) 「手づくり風」の外観を有し、糖分、脂肪分の合計が重量百分比で 40%以上のもので、嗜好に応じ、卵、乳製品、ナッツ、乾果、蜂蜜等により製品の特徴づけをおこなって風味よく焼きあげたもの
(2) その他、全国ビスケット公正取引協議会の承認を得た場合
文章から判断すると、「ビスケットの中にクッキー」も入っている感じですね。
「一般社団法人 全国ビスケット協会」のサイトには、「ビスケットで健康家族 ビスケットの仲間たち」というページがあります。
このページには、「ハードビスケット」と「ソフトビスケット」という分け方になっていて、「ソフトビスケット」は( )でクッキーとしています。
ちなみに、「ビスケットの仲間たち」としては次のようなものが掲載されています。
- クラッカー
- パイ(パフ)
- 乾パン
- プレッチェル
- 加工品
「一般社団法人 全国ビスケット協会」には、「サブレー」に関する説明は見当たりません。
それでは、サブレーの定義は?
Wikipediaでは、次のようになっています。
ビスケットの多くはバターまたはショートニングと薄力粉の配合比率を1:2の割合(あくまでも目安)で作るが、サブレーはほぼ1:1で作ることにより、特徴的な風味と食感が生まれる。
配合比率と食感がポイントのようです。
お取り寄せサイトの「和菓子の茶丈藤村 こまめな小豆」には、「ふじ野さぶれ」というお菓子があります。
このような一文がありました。
サブレーとはフランス語で「砂」の意味があります。
その名の通り、サクサクした歯ざわりが特徴です。
サブレーは、食感の特徴が大きいようですね。
Wikipediaのページにも記載されている有名な「サブレー」。
- 鎌倉の「鳩サブレー」
- 東京や福岡の「ひよ子サブレー」
- 名古屋の「ぴよりんサブレ」
鳩がなぜ平和の象徴とされるのか
鳩がなぜ平和の象徴とされるのか?これには、ピカソと旧約聖書に秘密があります。
鳩がオリーブの枝をくわえて飛んでいるイラスト。ネット上でも、よく見かけますよね。まさに平和の象徴といった感じがします。
平和を表現した鳩の絵。ピカソが描いた絵で広まったと言われています。
世界平和評議会 - Wikipediaのページに次のようにあります。
壇上にパブロ・ピカソによる鳩の絵を掲げた東ベルリン会議。1952年7月1日。
Pablo Picasso(パブロ ピカソ) 平和の鳩を楽天で見ると、たくさんあります。
世界平和評議会の公式サイトにも、鳩の絵が出てきます。
ピカソがモチーフにしたかどうかは定かではありませんが「オリーブをくわえた鳩」は旧約聖書に出てきます。「創世記」8章8~12節「ノアの洪水」のお話です。
神様は、アダムとエバの不信仰によって堕落した人間に審判を下します。洪水によって、人間を滅ぼそうとしました。人類を再生するために、ノアに方舟に山の頂上に作るように命令したのです。
人々は、ノアは気が狂ったのだとバカにしました。方舟が完成したときに、神様は洪水を起こします。神様から見て正しい人間だったノアとノアの家族、動物たちが方舟に乗ります。
40日後にノアは、はじめにカラスを放ちます。(カラスは戻ってこない様子)まだ水が引いていないことがわかります。つづいて、ハトを放ちます。(降り立つところがない様子)ハトが戻ってきます。まだ水が引いていません。
さらに、7日後にハトを放ちます。今度は、オリーブをくわえてハトが戻ってきます。ハトは、水が引いたのでオリーブをくわえることができたというわけです。神様が人類を再出発させるお話です。
このお話から、鳩が平和の象徴となったのではと考えられています。
鳩はなぜ歩くときに首を振るのか
「岩波科学ライブラリー ハトはなぜ首を振って歩くのか」という書籍があります。
藤田祐樹さんという研究者による本です。人類史を研究していている人です。人類といえば二足歩行、二足歩行といえば鳥、鳥といえば、ハトはどうして首を振って歩くのだろうということになったらしいです。
本のレビューでは、「おもしろい!」と高い評価を受けています。中身については、どこかで手に取って楽しんでください。鳩の首振りを研究しているのは藤田祐樹さんだけではないようで、いろんな説があります。
鳩の目は、人間のように前を向いて並んでいませんよね。それぞれの目は、それぞれに左右の方向を向いているような感じです。
つまり、地面の上では視覚的に距離感や奥行きなどをとらえにくいのではないかという骨格の話もあって、鳩のような体形だと、首を動かさないと歩けないのでは?ということで、あらゆる鳥の歩き方が観察されています。
にわとりは? すすめは? カモは? ペンギンは?という具合に。
実際には、首を前後に振っているわけではないそうです。歩き出すときに首を前に出して、いったん止めるそうです。それが続くと、前後に振っているように見えるとのことです。
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同時に首を伸ばす。
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左足が地面に付く。
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右足を蹴り出すタイミングで首を静止させる。
1本足でバランスを取る瞬間に合わせて、首の重心でバランスを取っているのではないか?
と考えられるわけです。どうなんでしょうね。
まとめ
愛され方もいろいろで、鳩は不思議な存在ですね。
首振りの研究もおもしろそうです。