
「大阪寿司の日」は9月15日です。
実は長い間、敬老の日として親しまれてきた日が関係しています。
大阪寿司を知らない方もいるでしょう。
寿司と言えば江戸前寿司では?と思う人も多いと思いますが、交通機関が発達していない時代は地域ごとに特産の物、味覚の違いなど食文化は大きく違っています。
今回は大阪寿司と江戸前寿司の違いを紹介します。
普段良く食べる江戸前寿司も良いですが、大阪寿司を知らない人は大阪寿司の日を機会に食べてみてはどうでしょうか?
大阪寿司の日の由来

大阪寿司は、生ものを使用しないので噛み切りやすく、消化しやすく、食中毒のリスクも低いため、お年寄りが安心して安全に食べられる食べ物です。
このため、大阪寿司の日は、1966~2001年の35年間を敬老の日として親しまれてきた9月15日と同じ日になりました。
大阪寿司の材料を販売する関西厚焼工業組合が日本記念日協会に申請して制定されました。
江戸前寿司と大阪寿司の違い

江戸前寿司
起源
江戸っ子はせっかちのため、押し寿司にすると時間がかかるため、屋台などでしゃりとネタを一緒に握って早く出したのが始まりです。
ネタ
江戸の前つまり東京湾で収穫された魚を使っています。
魚は冷蔵庫がないため、今のように生のまま食べることはできません。
魚は酢締め、塩漬け、煮込み、タレに漬け込むなどの工夫がされていました。
シャリ
おにぎりなどと比べてもシャリの量は少なく、ネタにしっかりと味が付いているため、砂糖が控えめになっています。
早く提供するためにも酢を入れた後は、うちわなどを使って早く冷まします。
大阪寿司
起源
平安時代頃が始まりで、押し型となる木枠にキレイにネタを並べて、時間をかけて形を作ります。アレンジが進んでいき、巻き寿司、バッテラ寿司、棒寿司なども大阪寿司と呼ばれます。
江戸前寿司と違い、屋台などで食べるのではなく、観劇、遠足などのお弁当として食べられていました。
ネタ
さば、アジ、サンマを使っていたものが、瀬戸内海の魚(鯛など白身魚)、アナゴ、エビ、厚焼玉子です。
魚は酢締めにします。
シャリ
江戸前寿司より砂糖の配合が多いのが特徴です。
寿司に使うシャリの量が多いため、味がしっかりついていると食べやすく、時間をかけて押していくため、シャリがカピカピに干からびないようにするためです。
味をしみ込ませるために、ゆっくり冷やしていきます。
大阪寿司の種類や特徴

押し寿司、巻き寿司、バッテラ寿司、棒寿司も大阪寿司と呼ばれています。
型に入れて押し固めた寿司である押し寿司と巻きすを使って酢飯と具をのりで巻き付ける巻き寿司は、大阪以外でもたくさん種類があります。
大阪寿司として特徴的なバッテラ寿司と棒寿司について紹介します。
バッテラ寿司
酢で締めたサバの切り身を薄く、そぎ切りにして、昆布と寿司飯と一緒に木枠で押し寿司にします。
明治時代に作られたのが始まりで、バッテラはポルトガル語のバッテイラから来ています。意味は小船です。
バッテラ寿司の形が小船に似ていたため、名前になりました。
棒寿司
魚の形を生かしたまま酢で締めたり、タレで焼きます。
寿司飯の上にのせて、ふきんや巻きすで巻いて固めます。
ネタは酢で締めたサバ、鮭、マスや蒲焼きにしたウナギ、白焼きにしたアナゴが使われます。
まとめ
大阪寿司の日は法律が変わる前の敬老の日である9月15日です。
大阪寿司は、生魚を使わず、お年寄りの身体に優しいため、記念日を敬老の日に合わせたのが由来です。
回転寿司で手軽に寿司が食べられますが、冷蔵庫や交通機関が発達していない時代も工夫しながら魚と酢飯を楽しんでいることが分かりました。
大阪寿司は生魚ではないため、子供にも食べさせやすいです。
核家族化が進んで、押し寿司用の木枠を持っている家庭は少ないですが、牛乳パックを使って簡単に押し寿司を作ってみたくなりました。
9月15日の大阪寿司の日には生魚ではなく、酢で締めた魚で押し寿司、巻き寿司、棒寿司、バッテラ寿司などを作ってお祝いしたいですね。