9月は祝日が2回もあって、夏休みの後せわしなく働いてきた労働者にとっては、ようやく訪れた息抜きの時間になります。
1日は敬老の日、高齢の方の長寿とますますの健康を願う祝日です。
そしてもう1日が秋分の日。
しかし、なぜ秋分の日が祝日なのでしょうか。
また似たような名前で「春分の日」というのもあり、こちらも祝日になっていますね。
この2つの祝日は、「彼岸」に大きく関係をしているのです。
そこでこの記事では、彼岸に着目をし、「春の彼岸、秋の彼岸について」「彼岸の期間には何を行うのか」「お彼岸のお供え物の定番のお菓子」という流れで説明をしていきたいと思います!
2019年の春の彼岸・秋の彼岸はいつからいつまで?
彼岸とは、春と秋に年2回訪れます。
<2019年春の彼岸>
3月18日(月) 彼岸入り
3月21日(木・祝) 中日(春分の日)
3月24日(日) 彼岸明け
<2019年秋の彼岸>
9月20日(金) 彼岸入り
9月23日(月・祝) 中日(秋分の日)
9月26日(木) 彼岸明け
春の彼岸は、春分の日を中日とした前後3日間を含む1週間、秋の彼岸は、秋分の日を中日とした前後3日間を含む1週間です。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、ちょうど季節目の変わり目となるような時期が彼岸にあたるのです。
彼岸の中日にあたる春分の日と秋分の日は、それぞれ太陽が真東から昇り、真西に沈んでいくため、1日の昼夜の長さが同じになる日として有名です。(実際には数十分の誤差が生じます)
春の彼岸と秋の彼岸に大きな違いはありません。
強いてあげれば、お供え物として有名なお菓子に違いがあります。
春の彼岸には、牡丹餅をお供えするのが一般的です。
一方で、秋の彼岸にはおはぎをお供えします。
両者はよく似たお菓子なのですが、前者がこしあん、後者が粒あんを使用しているというような違いもあります。
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線香
彼岸には、その初日に当たる「彼岸の入り」、ちょうど真ん中の日に当たる「中日」(春分の日、秋分の日)、そしてその最終日に当たる「彼岸の明け」という3つの時期があります。
それぞれの時期で行うとされていることに違いがありますので、簡単に紹介をします。
彼岸の入り
彼岸の入りには、まずは仏壇や仏具、そして墓石を綺麗に掃除します。
故人にとって大切な彼岸の期間を、気持ちよく過ごしてもらうための配慮と考えればいいでしょう。
サラリーマンの方も、その日1日の仕事を気持ちよく行えるように、毎朝出勤するとまずはデスクの清掃から始めるという方も多いはずです。
それと同じイメージですね。
また、主に中日に行うお墓参りに向けて、お供えの花やお菓子の用意もしておきたいものです。
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彼岸の中日
お彼岸の期間に実際に仕事を休めるのは中日だけという場合も多くあります。
そのため、この日を利用してお墓参りに出かけるという人が多くいます。
もちろん、お墓参り自体はいつ行っても構わないのですが、お彼岸の中日当日が、此岸と彼岸が1年の中で最も近づくとされ、故人を身近に感じられることから、この日は霊園も混雑することが多いです。
またお彼岸法要や彼岸会などが多く行われるのもこの日になります。
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彼岸の明け
お盆の最終日は「送り盆」といって精霊流しのようなイベントがあります。
しかし、彼岸の最終日である彼岸の明けには、特段決まったイベントは行われません。
もし、この日までに仏壇の掃除やお墓参りができていないというのであれば、済ませておくのがいいでしょう。
以上、紹介しましたように彼岸の時期は、故人を偲ぶために、仏壇参りをしたり、お墓参りをしたりするものです。
そのため、結婚などの祝い事は縁起が悪く、彼岸の時期にはふさわしくないとする声もあります。
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しかし、実際にはお彼岸の時期だからといって「これは避けなければならない」というものはありません。
例えば、この期間に誕生日を迎える人だってたくさんいますからね。
お彼岸だからお祝い事は避けなければとしていては、何年経ってもその人は誕生日を祝ってもらえないことになってしまいます。
そのため、祝い事は避けなければならないと、考えすぎることはないでしょう。
それでも、時期をずらせることであれば、お彼岸の時期を外してお祝いをする方が良いかもしれません。
当然、誕生日は動かせませんので仕方ありませんが、就職祝いとか、進学祝いとかいったものは、特段日程が決まっているわけではなく、祝う人間の任意で変えられるものです。
そのため、わざわざ彼岸の期間にぶつかるよう設定する必要はありません。
お彼岸のお供え物の定番のお菓子といえば

おはぎ
仏壇やお墓には、何かしら食べ物をお供え物として持って行きたいものです。
お供え物の基本である五供にも「飲食(おんじき)」がありますからね。
食べ物をお供えすることで、故人とつながり、また食べ物に生かされていることに感謝を伝えることにも繋がります。
ごく普通の日常であれば、仏壇に炊き立てのご飯をお供えするくらいでいいのですが、彼岸の時期にはいつもとは違う、少しグレードを上げたものをお供えするのが一般的です。
その代表例が菓子折りです。
菓子折りは比較的日持ちするものが多いこと、個包装のためお供えしやすいことといった理由で、人気のお供え物となっています。
ここでは、そのお供え物として定番のお菓子をいくつか紹介していきます。
おはぎ
おはぎは秋のお彼岸にお供えします。
小豆の赤色に魔除けの力が宿っているとされていることや、もち米とあんこの合わさったその姿が、故人と自分たちの心が「合わさる」ことに通ずることが、その理由となっています。
ぼたもち
ぼたもちは春のお彼岸にお供えします。
おはぎと似ているのですが、おはぎが粒あんで作られているのに対して、ぼたもちはこしあんで作られているという違いがあります。
落雁
落雁とは、米や麦などの穀物粉に砂糖や水あめ、水を少量加え、加熱・乾燥させてつくお菓子です。
現代でいうと砂糖は誰でも数百円払えば手に入るものですが、江戸時代はかなりの高級品で、上位層の人間しか嗜むことができませんでした。
その高価な砂糖をお供えすることが、故人の供養につながるという考え方から、お供え物の定番となっています。
羊羹
羊羹は比較的日持ちがよいため、お供え物として人気です。
食べやすさ、分けやすさもあって、お供えして下げた後でも、みんなで美味しくいただくことができます。
ゼリー
ゼリーも羊羹と同様の理由で定番のお供え物となっています。
ゼリーはフルーツ系の味がほとんどのため、すっきりした味わいを楽しむこともでき、老若男女問わず高い人気をほこる品物です。
秋のお彼岸の頃は、残暑も残っている時期ですので、よりすっきりした味わいが好まれるのではないでしょうか。
以上のようなお菓子がお供え物の定番となっています。
食べるタイミングとしては、当然ですがお供えをした後になります。
小さい子供がいる場合には、お菓子を見るとすぐに飛びついて食べられてしまうようなこともあるかもしれませんので、お供えするまでは気づかれないように保管しておくのがいいでしょう。
お菓子は比較的日持ちがするのですが、やはり徐々に品質は落ちてきてしまいます。
あまりに長くお供えをしていると、傷んでしまい、食べた結果でお腹を下す恐れもあります。
また、傷んでしまったからと捨ててしまうのも勿体ないことですし、何より故人に対しての失礼に値してしまいます。
ですからお供えをしたら、長い時間放置をするのではなく適当なタイミングで下げ、そのあとすぐに家族や仲間内でいただいてしまえばいいでしょう。
まとめ
この記事では、「春の彼岸、秋の彼岸について」「彼岸の期間には何を行うのか」「お彼岸のお供え物の定番のお菓子」について説明をしました。
学生時代は、よく理由も分からないけど、秋分の日と春分の日は祝日だからラッキー!という程度にしか考えていなかったのですが、故人とつながり、感謝を示す大切な日であるということが理解できました。
もちろん、お彼岸の時期に仏壇参りやお墓参りができるという方は、是非行ってほしいところですが、スケジュールや住んでいる場所の都合から、なかなかそれが叶わないこともあるでしょう。
それでも、お彼岸の日には、少しの時間でも故人を偲び、思いを馳せる時間を設けてもいいかもしれません。
結局、一番大切なのは気持ちの部分ですからね。