新潟県は、豪雪地帯の山々と広大な越後平野、大地を潤す信濃川の恵を受けて発展してきました。
ミネラル豊富な雪解け水が生み出した有名なブランド米や、「にほんの里100選」に登録された美しい棚田の絶景は、新潟の自然溢れる豊かな大地の象徴として全国で知られています。新潟県の北東部にあり、本州の日本海側最大都市と謳われる新潟市では、毎年8月になると「新潟まつり」が開催されます。
3日間に渡って繰り広げられる新潟まつりの魅力をご紹介します。
新潟まつりの歴史(新潟まつりを構成する4つの祭事)
新潟まつりは、江戸時代からの歴史を持つ住吉祭にあわせて、商工祭、川開き、開港記念祭という4つの祭りが合体したお祭りです。
「住吉祭」の起源は、江戸時代に県内の廻船問屋の主が、関西の住吉大社から御神体を授かったことに始まります。当初、屋敷神として祀られていましたが、地域住民まで信仰は浸透し、1726年(享保11年)には、「住吉さま」のご加護に感謝して港の繁栄を祈願する祭行列が繰り出されました。
新潟まつりの市民みこしのクライマックス「神輿の宮入」の舞台が、白山神社であるのは、1748年(延享5年)に、白山神社の境内に住吉神社が勧請されたという記録に基づいています。
商工祭は昭和4年から始まり、住吉祭の行列に併せて地域の企業の宣伝山車が繰り出し、古町の芸妓も総出の華やかな行列は、キラキラパレードと呼ばれて現在に至ります。
開港記念祭は、幕末の新潟港開港を祝って昭和5年に記念式典が開かれたことに起源を持ち、新潟市の川開きは、明治維新以降に起きた新潟大火からの復興を願って萬代橋下流で花火大会が開催されたことに始まります。
新潟の夏を彩るお祭りは、それぞれの行事ごとに日程が組まれていましたが、これら4つを統合して「新潟まつり」とし、昭和30年の8月上旬に第1回目がスタートしました。
新潟まつりの見どころ
初日に開催される「大民謡流し」は、萬代橋(ばんだいばし)をメインに約1万5千人が佐渡おけさ等の舞踊を披露します。日本一の大河として有名な信濃川に架かる雄大な萬代橋。夕刻からライトアップされる連続アーチの美しい姿は、新潟の街と人々を夜の幻想的な世界へと誘います。
新潟祭りのポスターで、大民謡流しで、キラキラパレードで艶やかな芸妓さん達がシンボルとなっているのも新潟まつりの魅力です。京都の祇園、東京の新橋と並び、新潟の古町は200年の伝統を誇る花街で、古町の芸妓は毎年新潟まつりに参加します。
大民謡流しが行われる会場一帯では、飛び入り参加も出来ますので、彼女達に遭遇したら一緒になって踊ってみましょう。古くから演歌や文学で語り継がれてきた東北の芸妓さん達の魅力を、近くで感じられるのも新潟まつりの醍醐味です。
開催日2日目に行われる「水上みこし渡御」は新潟まつりの見どころの1つです。白山神社を出発した神輿は、信濃川河口に到着すると水上の龍船へ移され、約50隻の船と共に信濃川を出て海上を回ります。
青い空を背景に広大な信濃川に浮かぶ勇ましい龍船の光景は、新潟のお祭りならでは。潮風に吹かれて龍船を見送る人々の後ろ姿に、港町新潟の歴史への誇りを感じることができるでしょう。
新潟まつりで最も見どころの1つとして外せないのが「日本一の宮入」と称される約4千人で担がれる市民みこしです。薄暮の城山神社にて行われる盛大な宮入は、祭りの熱気が最高潮になる瞬間でもあり多くの見物客の感動を誘います。
動画 住吉行列
動画 水上渡御
動画 市民みこし
新潟まつりスケジュール
開催日:2019年8月9日(金)〜11日(日)
開催場所:新潟市内
8月9日(金)
大民謡流し
8月10日(土)
新潟キラキラパレード・市民みこし・水上みこし渡御
新潟万代太鼓・その他イベント(お祭り広場)
8月11日(日)
住吉行列・花火大会
各イベントのタイムスケジュールと開催会場へのアクセス、当日の交通規制は下記の新潟まつり公式サイトにてご確認下さい。
まとめ
新潟まつり最終日の信濃川に映える豪華絢爛な花火大会は、全国でも有名で新潟まつりには毎年100万人近くの観光客が訪れます。
新潟まつりへお越しの際には、花火大会もあわせてお楽しみください。