普段から、交通安全に気を付けて外出されている方は多いと思いますが、自動車や自転車、通行人がルールを守っていないと、不快な気持ちになってしまいますよね。
交通ルールについて、学ぶ機会があるのは小・中学校くらいまでで、車の運転免許を取る際の筆記学習も、車の視点が中心ですので、中々学ぶ機会が少ないのが現状です。
最近は、スマートフォンの普及と共に、「ながらスマホ」という運転をしながら携帯電話を操作する行為が後を絶ちません。
また、運転中や歩きながら音楽をイヤフォンで聴くことで、周りの音に気が付けず、事故に発展しているケースもあります。
特に、自転車が絡んだ事故は年々増加傾向にあります。
自転車は免許がいらずに誰でも乗れるため、車と同じ車道で走る際のルール、歩道を走る際のルールを知らずに乗っているケースがあり、事故に繋がる場合もあります。
そんな中、春や秋の季節によく聞く言葉として「全国交通安全運動」という運動がありますが、皆さまは聞いたことがありますでしょうか。
この記事では、全国交通安全運動に関する知識や活動内容についてご紹介しますので、是非最後までご覧ください。
全国交通安全運動とは?
「全国交通安全運動」という言葉自体は聞いたことがある、という方も、目的やどのような活動なのかまでは分からない方もいらっしゃるかと思います。
まずは、全国交通安全運動について説明していきます。
全国交通安全運動とは、日本全国で実施される交通安全に関する啓発活動期間のことを言い、交通対策本部の定める要領に基づいて実施されています。
その歴史は、1948年11月15日の国家地方警察本部長官通達に基づき実施されていましたが、自動車普及に伴って交通事故が急激に増えていったことをきっかけに、政府の重要施策として「内閣交通対策本部」が中心となって実施しています。
春、秋の季節に「全国交通安全運動」という言葉を耳にするのには理由があり、毎年春と秋、それぞれに期間が制定されているのです。
原則では、春季は4月6日~4月15日、秋季は9月21日~9月30日とされていますが、毎年内閣交通対策本部によって正式な日程が決定されています。
また、4年に1度行われる統一地方選挙の年のみ、春季が5月11日~5月20日へと変更されています。
目的としては、「交通安全の思想を広く国民に普及、浸透させ、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けること。国民自らが、交通環境の改善に向けた取り組みを推進し、交通事故防止の徹底を図ること。」となっております。
交通ルールは道路を通行する全ての方が守る事で初めて成立しますので、誰かがルールを破った瞬間に破綻し、重大な交通事故に繋がってしまいます。
自分本位な運転や行動・思想は、他の人を、何より自分自身を傷つけるきっかけになってしまいますので、日頃から緊張感をもった行動が必要になりますね。
2019年春・秋の「全国交通安全運動」の日程や期間
ここからは、2019年春・秋の「全国交通安全運動」について説明していきます。
2019年 春の「全国交通安全運動」
・期間:2019年5月11日(土)~5月20日(月)
・交通事故死ゼロを目指す日:2019年5月20日(月)
<重点>
(1)子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止
(2)自転車の安全利用の推進
(3)全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
(4)飲酒運転の根絶
2019年 秋の「全国交通安全運動」
・期間:2019年9月21日(土)~2019年9月30日(月)
・交通事故死ゼロを目指す日:2019年9月30日(月)
<重点>
(1)子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止
(2)夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止
(3)全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
(4)飲酒運転の根絶
どちらも、現在事故の多い例が、重点として挙がっていますね。
また、春と秋で重点の内容が少し違っているのには理由があります。
春と秋に「全国交通安全運動」が実施される理由にも繋がりますが、春は新入学生や新社会人が、慣れない道路を通学・通勤する季節ですので、重大事故が発生しないように保護する目的があります。
秋は、日没までの時間が急激に早くなる季節ですので、自動車・自転車の運転者が空の明るさを誤認し、ヘッドライトを未点灯のまま運転してしまうケースが多発します。
また、歩行者の服の色が、運転者から見えづらくなる時間が早まりますので、重大な交通事故に発展してしまう可能性があります。
上記のような理由から、日頃も気を付けている交通安全について一層注意するべく、春と秋の季節に全国交通安全運動を実施し、交通に目を光らせる人を増やして重大事故を防ぎ、事故が起きやすい期間であることを警告する目的があります。
全国交通安全運動の活動内容とは?
ここからは、全国交通安全運動の実施内容についてご紹介します。
(1)幼児・児童の交通事故防止のための実施内容
・通学路等における幼児・児童の安全の確保
・安全に道路を通行するための保護者から幼児・児童への教育の促進
(2)高齢者の交通事故防止のための実施内容
・高齢者による自身の身体機能の変化に対する的確な認識と安全行動の促進
・高齢歩行者の死亡事故の特徴を踏まえた交通安全教育等の実施
(3)高齢運転者の交通事故防止のための実施内容
・高齢運転者に対する加齢等に伴う身体機能の変化が交通行動に及ぼす影響などの安全教育及び広報啓発
・自動ブレーキ及びペダル踏み間違い時加速抑制装置の搭載された自動車の普及啓発
・運転免許証の自主返納制度、返納者への支援措置及び運転適性相談窓口の積極的な周知等による自主返納等の促進
・70歳以上の運転者に対する高齢者マークの使用促進。高齢者マークの自動車への保護義務の周知徹底
・改正道路交通法に係る認知機能検査や高齢者講習等の高齢運転者対策の周知徹底
・高齢者の運転に関する家庭内での話合いの促進
(4)共通項目
・反射材用品等の着用の促進
・夕暮れ時における自動車の前照灯の早めの点灯の励行
・夜間の対向車や先行車がいない状況におけるハイビームの活用の励行
・子供、高齢者、障害者等に対する思いやりのある運転の促進
・運転中のスマートフォン等の操作等の禁止の徹底
こちらはあくまで活動の一部ですので、活動の全貌については、内閣府のホームページなどでご確認ください。
最後に
この記事では、「全国交通安全運動」の意味や重要性、春と秋に開催される理由についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
最近は、高齢者の運転による交通事故や、自転車による事故、歩行者が加害者になってしまうケースもあります。
自衛の意味も込めて、保険を見直したり、自分の運転方法が誤っていないかなど、常に緊張感をもって行動していくことが大切です。
この記事が、交通安全について、今一度考えるきっかけになれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。