9月9日は九九の日です。
多くの学校では、夏休みが明けたら算数の時間で九九が始まります。
子どもにとっても、保護者にとっても、大きな山場になりますね。
今回お伝えするのは、
- 「九九の日の由来」
- 「なぜ『九九』という名前なのか?」
- 「九九の覚え方のいろいろ」
- 「覚えづらい、理解しづらい段?!」
- 「半分だけ覚えれば良いという時代があった!」
- 「九九は海外にもある?」
- 「九九の起源」
です。
九九について違う角度で興味を持ってもらえたらと、気になる話題を集めました。
九九の日の由来や意味

子供の学習
九九の日を決めたのは、団体や組織ではなく個人です。
「発案した」と表現したほうが良いかもしれません。
個人が「一般社団法人 日本記念日協会」に申請して、
正式に認定されたというのが九九の日ができた由来です。
「どのような意味の日」なのかと言うと、「日本記念日協会」には次のように掲載されています。
九九は算数の基礎であり、日常生活でも良く使われる。その意味から九九を物事の基礎、基本ととらえ、多くの人に「もう一度、基礎、基本を見直して、初心に戻って物事に取り組んでもらう日」をと、石川県小松市の西満憲氏が制定。日付は9と9で「九九」と読む語呂合わせから。また、学校の夏休み明けでもあり、九九を学ぶ日にふさわしいのではとの思いから
「初心に戻って物事に取り組んでもらう日」ということで、新しい気持ちで「再スタート」「リセット」してみてはいかがでしょうか。
『九九』という名前の由来

本を読む子供
なぜ『九九』という名前なのか?
これを考えるときに、「いろは」と「アルファベット」の話が例に出されます。
現在は、「あいうえお順」と言いますよね。
昔は「いろは」でした。
ものごとは「いろは」が大事だという表現もあります。
ABCDという順番の場合は「アルファベット順」と言います。
アルファベットは、ギリシャ語読みのアルファ(α)、ベータ(β)をとって、「アルファベット」 と呼ぶのです。
ということで、どちらも「はじめ」の部分をとって全体を表す形になっています。
九九は、「1×1」あるいは「2×2」から覚えます。
しかし、「九九」と呼ばれます。
調べてみると、昔は「9×9」から始めていたという話がありました。
それで、「九九」と呼ばれるのではないかということです。
ちなみに覚える順番は、「9×9=81」「8×9=72」「7×9=63」と続けるものだったそうです。
九九の覚え方のいろいろ

子供がバンザイ
大人になっても、九九の答えがすぐに出ないことがあります。
小学校で習うのは、語呂合わせのような、呪文を唱えるような方法だからでしょう。
ほぼ丸暗記なのです。
語呂合わせのような、呪文を唱えるような・・・
というのは、ひらがなで文字にすると「しちいちがしち」となります。
目で見た場合は数字で書いてあるほうがわかりやすいです。
「しちいちがしち」というのは、声にすると便利というだけのことです。
「覚えやすい」という役割はありません。
しかも、「しち」「なな」「7」が同じであることがわかっていることが前提になっています。
「し」「よん」「4」もそうです。
こうして考えると、子どもにとっては高いハードルがいろいろとありますね。
学習教材を提供する企業は、子どもたちが九九を覚えられるようにと、「カード」「絵本」「アプリ」「歌(CD)」などを出しています。
でも興味を持たない子どもは、「カード」「絵本」「アプリ」「歌(CD)」でも覚えようとはしません。
九九の歌でも、子どもが興味を持つ工夫が必要となります。
学習教材の口コミを見ると、お母さんが歌を覚えて、「子どもといっしょに過ごす時間に歌うようにした」というパターンが多いです。
実際のところは、その子が持っている感性・個性に合わせて、保護者が工夫して覚えさせてあげるしかないと思います。
かけ算でありながら、「足し算をしていく」「引き算をする」という大人も多いですよね。
7の段であれば、7を足していくという感じ。
また、大きな数字であれば、70から7を引いて、7×9の答えを出すという具合に。
覚えづらい、理解しづらい段?!

学ぶ子どもたちと先生
九九で覚えづらい段は、何の段?
これは、小学校の教科書(学習要項)を見れば明確です。
近年は、覚えやすい順番に授業をするようになっているからです。
教科書の順番は、次の通りです。
5の段 → 2の段 → 1の段 → 3の段 → 4の段 → 6の段 → 7の段 → 8の段 → 9の段
むずかしくなってくるのは、3の段あたりからではないでしょうか。
それでも、5の段、2の段、1の段、3の段、4の段あたりまでは、足し算をしていく感覚で暗唱できるようにはなります。
6の段 → 7の段 → 8の段 → 9の段も、順番通りには暗唱できるようにはなります。
しかし、バラバラ(ランダム)に問題を出されると、すぐに答えが出なくなります。
これは、大人もそうですよね。
「9×3」は「3の段」で覚えた「3×9」と同じであると、
ピンとくる子どももいれば、ピンとこない子どももいます。
教える側の根気が必要ですね。
半分だけ覚えれば良いという時代があった!

鉛筆で手書き
現在のように、「1×1」から「9×9」までの81通りの九九(計算)を覚えるようになったのは、 1925(大正14)年になってからだそうです。
それまでは、45通り。
大きいほうの数字が優先されて、9の段は全部覚えて、8の段は8×8まで、7の段は7×7まで・・・といった具合です。
「9×3」を覚えれば「3×9」は覚える必要がない
と考えられていたのだろうとのことです。
81通りの九九(計算)を覚えるようになったのは、「筆算の学習の段階でつまずくから」ということが理由の1つとしてあげられています。
九九は世界共通!?

時計の文字盤
英語ではどうなっているかと調べてみると、表(テーブル)をそのまま暗記するようです。
日本語のように「さんにがろく」という略した言い方ができないので、「THREE,TWO,SIX」と表を見て覚えるしかないみたいです。
インドの「2桁のかけ算の暗算」が話題になり、
日本でもドリルや本がブームのように出版された時期がありました。
インドでは、「11×11」から「19×19」までを覚えるそうです。
ちまたの噂では、「99×99」でもスラスラ言える人がいるのだとか。
12×12までを覚える国も多いという話もあります。
「12 Times Table」で検索すると、画像で表が出てきます。
動画も多いですよ。
12進法と関係があるのかもしれませんね。
時間の考え方は、5分が12回で60分(1時間)ですよね。
これは、次のように考えられています。
古代の文明では、「手の親指以外」の「4本の指」の「3つの関節」を用いて「12進法」を表現していた。
違うほうの手の指5本を掛け合わせることで、12× 5=60とした。
これが時間の基礎となる「60進法」の原点(起源)という話もあります。
- 1年の12か月
- 干支の12
- 還暦の60
- 地球の公転
12進数には、何かあるのでしょうかね。
こんなのもありました。
円周率を12進数に変換して、音符にして奏でると・・・
九九の起源

新婚
日本に伝わってきたのは、中国からだと考えられています。
中国では、「論語」で有名な孔子が活躍した時代には「九九」みたいなものがあったのではないかという話もあります。
日本の話しになると、万葉集に「九九」を使った「遊び歌」というようなものが出てきます。
そのころには、「九九」があったということのようです。
1つは、「十六」と書いて「猪鹿(しし)」の意味に使っているというもの。
もう1つは、「若草乃 新手枕乎 巻始而 夜哉将間 二八十一不在國」。
「二八十一」の部分。
「八十一」を「くく」と読ませます。
「にくく」となり、「憎く」という意味です。
「二八十一不在國」は「にくくあらなくに」。
「憎くない」という意味で、「愛しくて逢いたくてしょうがないんだもの」という新婚さんの歌です。
これくらいに、九九は使われていたということらしいです。
まとめ
九九の話を調べていると、数字の世界にまで行き着いてしまいました。
少し新鮮な気持ちになれたので、「九九の日」の趣旨には触れられたかなぁという感じはしています。