天下の奇祭としてその名を全国に轟かせる三重県桑名市のお祭り。
なぜ奇祭とよばれれるのか、など、この祭りの由来や歴史、そして見所について、記事ではご案内していきます。
石取祭の歴史・由来
奇祭として有名な桑名市の「石取祭」の歴史は長く、江戸時代の初期にさかのぼります。
員弁川の石を奉納したのが始まりとして、今もその祭事が残っています。2007年には「桑名石取祭の祭車行事」の名称で、「国指定重要無形民俗文化財」にまた2016年にはユネスコの無形文化遺産指定されました。
というように国や国際機関によって認められている由緒も、格式もあるお祭りですが、この祭りを有名にさせているのは「日本一うるさい」奇才として知られているから。ひとつの神社のおまつりとしては最多の43の祭車が繰り出すのですが、ひとつの祭車に太鼓と鉦を備えています。それら鳴り物が祭車が町を練り歩く際にけたたましく鳴らされるので日本一...とされています。
この祭りの会場である桑名宗社は「桑名神社」と「中臣神社」の2つの神社の総称で、桑名のそう鎮守としてお祭りの歴史よりさらに古く平安時代とされています。両社とも延喜式(平安時代中期に編纂された文書)に登場し、桑名神社の御祭神は天照大御神の第三御子天津彦根命と、その大神の御子天久々斯比乃神。
天久々斯比乃命は桑名の開祖として仰がれている神様です。中臣神社はもともとのご祭神に加え、春日四柱神を勧請合祀して以来「春日さん」と呼ばれ地元の人々に親しまれているお社です。
織田信長・徳川家康などより神領の寄進を受けたり、本田忠勝・松平定綱といった名だたる歴代桑名城主から篤く崇敬され、明治維新の際には御東行・東京遷都の際、天皇・勅使が宿泊されました。第二次世界大戦で社殿は焼失してしまいましたが、戦後氏子の皆さんとたちのお力で再興、今にいたっています。
ましたこのような崇敬篤く、荘厳な一大社となりましたが惜しくも昭和二十年の戦災で全て消失。しかしこの敗戦と焼土の中にあっても氏子崇敬者の深い理解によって立派に再興され、いまに至っています。
石取祭の日程スケジュール
関連行事
御籤占式
14:00~
7月15日(海の日)
石取祭囃子
優勝大会
8月2日(金)
叩き出し
24:00~
本祭
試楽
18:00頃~
8月4日(日)
本楽
13:00~ 北市場整列
18:30~ 花車渡祭
22:00頃~ 田町交差点曳き別れ
石取祭の見所
うち見所はなんといっても、奇祭を奇祭たらしめている鳴り物のともに繰り出される43の祭車競演、花車渡祭。この鳴り物は祭り開催中常に鳴らされているわけではなく、決められた時間に打ち鳴らすように決まっています(指定時間以外に鳴らすと罰則も定められています)。
太鼓と鉦が鳴らされる「日本一うるさい祭り」の醍醐味を味わうにはこの花車渡祭なのですが、ひとつ困ったことにこの行事が解さされるのは18:30から、つまり夕方以降。しかも日曜ということで、遠くからいらっしゃる方にはちょっとハードルの高いイベントです。
花車の引き回しは22:00頃まで続くため、本当に遠方の方々には当日の宿泊をおすすめします。泊まれない方へのお勧めはの夕方から3日(土)の夜にかけてと、4日(日)の正午くらいから22:00くらいまで。宿泊される方は花車渡祭に加え2日(金)の24:00~の叩き出しがおすすめです。
会場・アクセス
春日神社 三重県桑名市本町46
西本線(東海)「桑名駅」下車
近鉄名古屋線急行「桑名駅」下車
まとめ
桑名といえば「はまぐり」(まず食べ物ですみません)。3月3日のひな祭りに食されることで有名な「はまぐり」の旬は春先の2月から4月頃とされていますが、桑名ではこのお祭りが開催される8月初旬にも「はまぐり」を味わえます。
いにしえより交通の要所として栄え、また長島温泉、多度大社などを擁する県内屈指の観光地である桑名には魅力的な宿泊場所も多く、そこではさまざまな「はまぐり」料理を味わうことができます。
夕方から深夜にいたるお祭りのピークを堪能するには宿泊場所の確保は必須。日本一の奇祭に腰を据えてえて、のぞむため、ぜひ、お泊まりでのお越しをお待ちしております。