みなさんは「宿の日」をご存知でしょうか。
GWや夏休みのお出かけ、仕事の出張などでホテルや旅館などの宿に泊まったことが一度はあるでしょう。
日本の宿の良さを知ってもらうために制定されている「宿の日」についてご紹介します。
宿の日の意味と由来
「宿の日」は8月10日に定められた記念日です。「や(8)ど(10)」の語呂合わせが由来になっています。
これを定めたのは国際観光旅館連盟・日本観光旅館連盟・全日本旅館連盟・日本観光協会の4団体で、1992年(平成4年)に制定されました。団体の名前からわかるように、宿の中でも特に旅館の良さを知ってもらいたいという意図で制定された記念日です。
さまざまな宿の種類
日本の宿には旅館以外にもさまざまなものがあります。中には名前や形態が似ていて違いがわかりづらいものもあるのではないでしょうか。宿の日にちなんで、さまざまな宿の形について知ってみましょう。
(1)旅館とホテル
外泊施設の代表的なものとして挙げられるのが旅館とホテルです。このふたつの宿の違いは、部屋が和風か洋風かという点にあります。しかし共通点もあり、それは「旅館業法」に定められる基準を満たした施設であることです。
旅館営業法では、7平方メートル以上の広さを持つ和室5室以上の宿泊施設を旅館、9平方メートル以上の広さを持つ洋室の部屋が10部屋以上ある宿泊施設をホテルと呼ぶと、はっきり基準を定めています。
これを満たした施設だけが、旅館・ホテルと名乗れるのです。
(2)民泊とペンション
旅館とホテルに対して、民宿とペンションはともに旅館営業法の基準に満たない広さ・部屋数の施設を指します。
民宿とペンションは「簡易宿泊所営業」というものに分類され、客室の合計面積が33平方メートルあればよいという緩い規定で定められています。客室の数と1室あたりの面積についてはきまりがありません。
ちがいは明確に規定されているわけではありませんが、一般的に和風であれば民宿、洋風であればペンションと認識されています。
おおまかにいえば、旅館の簡易版が民宿、ホテルの簡易版がペンションといえるでしょう。
(3)ホステル・ゲストハウス・B&B
ホテルと似た名前の宿泊施設にホステルというものがあります。
ホステルの正式名称は「ユースホステル」で、青少年旅行者向けの、安価な宿泊施設です。安価な反面、二段ベッドの相部屋でトイレ・風呂共同のところが多いです。
一方、ゲストハウスも相部屋やトイレ風呂共同の場合が多い小規模な宿泊所というイメージですが、ホステルとの違いは、家族経営であることとフロント機能がないことです。ホステルの場合、ホテルのようなフロントを設けていることが、ゲストハウスとは異なる大きな特徴です。
さらに、B&Bという小規模宿泊施設も似たような形態の施設です。こちらは一般の住宅を利用した宿泊施設で、トイレ・風呂などが共同であることが多いです。
B&BはBed&Breakfastの略で、朝食が提供されることが特徴です。またB&Bとホステル・ゲストハウスの違いとしては、施設のオーナーが同居して宿泊客と共同で設備を使うことが多いという点が挙げられます。
以上のように、ホステル・ゲストハウス・B&Bにもそれぞれ特徴があることがわかります。低価格でフロントスペースがあるのがホステル、家族経営でフロントがないゲストハウス、朝食が出てオーナーも共同で暮らしているB&B、と、並べてみるとそれぞれ違った形を持っています。
旅館・ホテル・民宿の違いを知って、お宿選びに役立てよう! 【るるぶトラベル】
民泊とは
近年話題になっているのが「民泊」という宿泊形態です。東京オリンピック開催に向けて整備が進められている民泊について知っておきましょう。民泊とは、ホテルなどのような旅館業法によって定められた施設ではなく、住宅の一部または全部を旅行者に宿泊施設として提供することを指します。
増加する外国人観光客の宿泊ニーズに応えることが民泊への期待の高まりにつながっており、東京オリンピックに向けて政府も民泊の整備を積極的に進めています。
しかし一方で、違法・無許可の営業も生じており、対応が検討されています。平成29年に「住宅宿泊事業法」が定められるなど、民泊の制度化がだんだんと進行しています。
まとめ
8月10日は「宿の日」で、日本の宿のよさを知ってほしいという目的で定められました。
日本の宿には、旅館業法の基準に即して、一定の基準を満たす旅館・ホテル、それよりも基準が緩い民泊・ペンションといった区別があります。また、共同宿泊の形態を取ることが多いホステル・ゲストハウス・B&Bにもそれぞれの違いがあります。
さらに近年は民泊という新しい宿泊の形も注目を集めています。それぞれの宿の特徴を知って、旅行の際には目的や自分の好みに合った宿を選び、楽しい時間を過ごせるようにしましょう。