春の博多どんたく・夏の博多祇園山笠とならび博多三大祭りのひとつ、また、のべ100万人が訪れるという九州きっての秋まつりとされる(わりにはあまり知られていない)筥崎宮放生会。
記事では1000年以上の歴史を持つという多どんたく・夏の博多祇園山笠についてや、お祭りの見所について、ご案内していきます。
筥崎宮放生会の歴史・由来
今では全国のさまざまな地域で開催される「放生会」ですが、その起原は奈良時代にさかのぼります(さらにさかのぼると中国から伝来したそうです)。
仏教の思想に基づき、鳥獣や魚を放ち、肉食や生き物の折衝を戒めるという儀式がもとおり、書物にでてくる最古のものとしては「日本書記」に奈良時代、天武天皇が8月17日に「諸国に詔(みことのり)して放生せしむ」とあります。
以降、八幡神をまつる神社を中心に行われてきました。
とくに有名なのが大分県宇佐市の宇佐神宮のと京都府八幡市の石清水八幡宮の石清水祭。
前者は、720年に九州で発生した反乱で鎮圧されたの怨霊を沈めるため始まったとされ、後者は宇佐神宮にならって9世紀に始まったとされます。
お祭りの舞台となる、筥崎宮(筥崎八幡宮)は、宇佐、石清水両宮とともに日本三大八幡宮に数えられています。
御祭神は現在の福岡県宇美町にお生まれたと伝えられる応神天皇(第十五代天皇)他。
創建の時期については諸説あり平安時代の中期、醍醐天皇の時代というのが有力。
鎌倉時代、元寇の際、いわゆる神風が吹き国難に打ち勝ったことから、厄除・勝運の神としても名を知られることになりました。
その後、足利尊氏、大内義隆、小早川隆景、豊臣秀吉など名だたる武将が参詣。
江戸時代には黒田長政をはじめとする福岡藩歴代藩主の崇敬をあつめました。
創建より1000以上も経過した今でも全国から信仰をあつめる神社であり、放生会は博多三大祭りの残り2つ、どんたく・祇園山笠にくらべ圧倒的に長い歴史をもつ由緒あるお祭りです。
とくにお祭りのメインイベント「御神輿行列」はその雰囲気を今に伝える行事といわれています。
筥崎宮放生会の日程スケジュール
<2018年の日程>
9月12日(木)~18日(水)
10:00 初日祭
14:00 献菓祭(お菓子を供える神事)
9月13日(金)
10:00 二日祭
9月14日(土)
10:00 三日祭
9月15日(日)
10:00 放生会大祭(例祭)
15:00 献華祭(お花を供える神事)
15:00 博多町人文化連盟幕出し
19:00 豊前神楽奉納(国指定無形民俗文化財) 絵馬殿前
9月16日(月)
9:00 五日祭
15:00 献茶式(お茶をお供えする神事)
14:30 折尾神楽奉納 絵馬殿前
9月17日(火)
10:00 六日祭
11:30 ふくや供養祈願(感謝祭)
19:00 筑前博多独楽奉納
20:00 博多金獅子太鼓奉納 絵馬殿前
9月18日(水)
10:00 納祭
14:00 放生神事
稚児行列・童児育成祈願祭(稚魚の放生神事)
筥崎宮放生会の見所
これら行事のうち見所は「御神輿行列」と「露店」です。
御神輿行列
「御神輿行列」は「御神幸」とも呼ばれ2年に一度行われます(2019年は開催予定)。
清道旗という旗を先頭に、神輿と氏子さんたちが博多の街を練り歩くという、古式ゆかしい行事です。
「御神輿行列」は頓宮までの行きと帰りでわかれておりそれぞれ「御下り(渡御)」と「御上り(還御)」と呼ばれています。
「御下り(渡御)」は9月12日の18:00~22:00、筥崎宮を出たお神輿が、箱崎小学校などを回り頓宮に到着します。
「御上り(還御)」は9月14日19:00~20:00、御下りのコースを逆に回り4時間かけてやってきたところを1時間で筥崎宮へともどってきます(コースもやや短い)。
この行列はコース中であればどこからでも見学できますが、御上りの筥崎宮手間がおすすめです。
筥崎宮まで最後の数百メートルになると行列の氏子さんたちは、手にした道具などを持ったまま走り出します。
その走り方は行列の雅な雰囲気とは打って変わって、とにかく必死で観客の皆さんも大盛り上がりするそうです。
露天
もうひとつの見所が「露店」です。
「ナシもカキも放生会」とよばれるほど露店が多いこのお祭りでは、開催機関である7日間(2018年の場合は9月12日~18日)、筥崎宮周辺に500店以上のお店が軒をつらねます。
なかでも今ではめずらしい「見世物小屋」や「お化け屋敷」といった、こと消費系の露天は放生会ならでは。
これら露店は神社の行事が終わる21:00頃を過ぎると少しずつ閉店してしまいます。
神社周辺のお店は23:00頃まで営業しているところもありますが、早めのお越しがおすすめ。
特に最終日18日は各お店も夕方くらいから店じまいをはじめます。
会場・アクセス
筥崎宮 福岡県福岡市東区箱崎1丁目22−1
電車
福岡市営地下鉄「箱崎宮前駅」下車、徒歩3分
JR鹿児島本線「箱崎駅」下車、徒歩8分
バス
西鉄バス「箱崎」下車、徒歩3分
JR九州バス「箱崎1丁目下車」、徒歩2分
※近隣に駐車場はありますが、お祭り当日は交通規制なども予定されており、お祭りにお越しの方は公共交通機関の利用をおすすめします。
まとめ
お祭り開催中、筥崎宮から国道3号線までが通行止めになり500もの屋台がならび、たくさんの人が押しかけます。
見所でも書きましたが、たこ焼き、たこ焼きといった定番から、今となっては懐かしいアトラクション「見世物小屋」など、とてもバラエティにとんでいるのですが、ぜひ味わっていただきたいのが「筥崎宮名物の社日餅(やきもち)」。
筥崎宮のHPでも紹介されていますが、昔ながらの素朴な味で白餅とよもぎ餅の二種類があるそうです。
外はモチモチ!....で、中は甘さ控えめの粒あん!....なんだとか。
放生会のおみやげにもぴったり...なので露天でどうぞ...だそうです。ぜひご賞味あれ。