電池の切れたスマートフォンをイメージしてください。
あなたはどうやって使いますか?はっきり言って、全く使い物にならないですよね。
実は、睡眠がしっかりとれていない人間の体は、電池切れのスマホと同じようなものです。
あなたがどれだけのスペシャルな能力を有していても、しっかりと睡眠をとり、良いコンディションでなければその能力を発揮することはできません。
人間には、栄養、運動、休息、これらのバランスが非常に大切と言われていますが、特に大切なのが休息、つまり睡眠であると考えてよいでしょう。
そこでこの記事では、人間の生活や健康において非常に重要な睡眠について、あれこれ説明していきたいと思います。
ベッドの日(good sleep day)の由来
みなさんが毎日の終わり、そして毎日の始まりを迎えるベッド。実は、「ベッドの日」という記念日があるのはご存知ですか?
それは、毎年9月3日です。その由来は、9「グッ」3「スリ」という語呂から来ています。
若干こじつけ感があるので補足をすると、9はアルファベットのg(ジー)の形と似ているので、「グッ」と読み替え、3は英語で「スリ―」と読みます。
そして、「グッスリ」眠るという意味に繋げているのですね。
ベッドの日は「good sleep day」とも言い、まさに「グッスリ」という言葉を表現すべく、この日が制定されました。
この日は、ベッドによる心地良い睡眠を広くアピールすることを目的に、全日本ベッド工業会を中心に、様々なイベントやキャンペーンを行っています。
みなさんは日ごろグッスリと眠れているでしょうか??
レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠には周期があり、それぞれレム睡眠とノンレム睡眠があるというのは、なんとなく聞いたことがあると思います。
それぞれ、どのような睡眠の状態なのでしょうか。簡単に説明していきます。
レム睡眠とは
レム睡眠とは、眠りが浅い状態で、記憶にはっきりと残るような夢は、このレム睡眠の時に見ます。
レム睡眠の状態では、全身の筋肉の緊張が緩むため、身体的に非常にリラックスした状態になります。
一方で、脳は比較的活発に働いています。そのため、脳は働きつつ、身体を休めている。そんな状態であると言えましょう。
脳が働いているため、目覚めが良い時はレム睡眠の時です。うまく自分の睡眠のサイクルを見つけられると、レム睡眠の時に意識的にアラームをかけることで、目覚めの良い毎朝を迎えることができるでしょう。
ノンレム睡眠
一方、ノンレム睡眠とはレム睡眠とは逆の状態です。いわゆる睡眠が深い状態をノンレム睡眠といいます。
ノンレム睡眠の状態では、脳はまったくと言っていいほど活動をせず、この時に見た夢は皆様の記憶にはほとんど残っていません。
たまに、寝ている人を起こそうと思ってゆすっても全然起きないことがありますが、そういう人はノンレム睡眠の状態になっていることが多いです。
しかし、筋肉はレム睡眠時に比べると、やや活発に働いていて、寝返りをうつようなタイミングは、大体ノンレム睡眠の時です。
入眠してから、最初のノンレム睡眠時に成長ホルモンの分泌が活発になり、新陳代謝を促します。
美容や健康に気を使っている人は、ここで質の高い睡眠を手に入れられるよう、意識していくことが大切ですね!
睡眠負債とは
睡眠にまつわる問題というと、多くの人は「睡眠不足」をイメージすると思います。
睡眠不足になると、頭がぼーっとしたり、集中力が落ちたりと何かと悪影響が大きく出るものです。
しかし、最近もっと深刻とされているのが、「睡眠負債」です。
言葉からなんとなくイメージができるかと思いますが、睡眠不足がたまってしまった状態のことを言います。
例えば、適正睡眠時間が7時間の人が、毎日6時間しか睡眠をとれていないとします。これが5日間続いた場合、睡眠負債は5時間ある、というような状態になります。
世界的に見ても、日本人には睡眠負債を抱えている人が非常に多いとされています。
睡眠負債になると、思考力や判断力の低下、注意力が散漫になる等の日常的な問題から、睡眠中に除去されるはずの脳内の有害物質「アミロイドβ」の滞留による認知症の発症、さらには免疫の低下による、がん、糖尿病、心臓病のリスクもあるとされています。
仕事で高いパフォーマンスを発揮するためにも、十分な睡眠時間の確保が欠かせないのですが、仕事量が多すぎるせいで残業が続き、睡眠時間も減る。
そして、パフォーマンスが落ち、さらに仕事が終わらないから残業する・・・というような無限ループに陥ってしまっているのが日本の実態と見ていいでしょう。
先進国中でも、労働生産性は最低レベルと言われている日本ですが、その根本に睡眠負債の影響があると考えて間違いないでしょう。
昨今、政府主導で「働き方改革」が推し進められていますが、その流れに乗って、定時退社を促し、十分な睡眠を確保できるような環境の職場が多くなれば、間違いなく日本の労働生産性は改善することができるでしょう。
睡眠時間と質
適正な睡眠時間には、もちろん個人差があります。百獣の王として有名な武井壮さんは、何と1日45分の睡眠時間でも大丈夫なのだとか。
一方で、あらゆる業界で活躍し、一大ビジネスマンになっている堀江貴文さんは、1日8時間の睡眠は不可欠とも言われています。
ですから、人間の適正睡眠時間に1つの正解はないでしょう。しかし、一般的には最低でも6時間、長い人は9時間程度と言われています。
忙しいビジネスマンが毎日9時間睡眠をとるというのは、なかなか現実的ではないので、6~7時間程度はしっかりと確保しておきたいというのが現状ではないでしょうか。
とはいえ、やはり毎日十分な睡眠時間を確保できるかと問われると、なかなかそうもいかない方も多いでしょう。
私の所属する組織でも、毎日終電で帰り、朝は8時から出勤している、というような方もいます。そういった方は恒常的に睡眠不足になっており、当然睡眠負債も溜まっていくことになります。
そういった方は、まずは休日にいつもより少し長めの睡眠を確保する、ということが睡眠負債解消のための1つの現実的な手段となります。
寝だめの是非については諸説ありますが、もともと不足している状況で、それを返済するにはやはり眠れるときにたっぷりと眠るというのが大切でしょう。
また仕事中でも、可能であれば数秒間目を瞑って瞑想をしたり、昼休憩には15分程度座りながら眠ったりすると、何もしない状態に比べて格段にパフォーマンスを高めることができます。
特に、15分の仮眠前にコーヒーを飲むことでカフェインを補給しておくと、ちょうど仮眠から覚めたタイミングくらいでカフェインの覚醒作用も発生し、脳内をかなりクリアな状態にすることができます。
そして、十分な睡眠時間が取れない場合、最も意識すべきことは睡眠の質を高めることです。
時間は不十分でも、良質な睡眠をとれていれば、睡眠負債の悪影響を最小限に抑えることができます。むしろ、時間は十分に確保できていても、質の低い睡眠をとっている人は要注意です。
具体的に、睡眠の質を高めるためには次のようなことを意識しておくと良いでしょう。
・食事は睡眠3時間前までに終わらせる
・運動は睡眠2時間前までに終わらせる
・入浴は睡眠1時間前までに終わらせる
・睡眠1時間前以降は、テレビ、PC、スマホのブルーライトは遮断する
・ベッドでは眠る以外一切の行為をしない
特に、大切なポイントは2つあり、1つ目は入浴を1時間前までに終わらせることです。
「家に帰ってからまず入浴」という方もいらっしゃるとは思いますが、スムーズな入眠を促すためには、大体1時間前に入浴をするのがおススメです。
というのは、人間は体温が一度下がった体温が上がっていく過程で副交感神経が優位に働き眠くなっていくからです。小学校の頃のプールの授業の後を思い出してください。ものすごく眠かったですよね?
それは、プールで一度体温が下がった後、体温が上がっているから眠くなっていたのですね。お風呂に入ると、一旦急速に体温は上がりますが、その後外気に調節されて下がります。
そして、その後また体温が上がっていく。このタイミングで眠くなってきますので、入浴は睡眠の1時間前くらいを狙っておくといいでしょう。
そしてもう1つ大切なポイントが、ベッドでは眠る以外の一切の行動をしないということ。
例えば眠る直前に、ベッドで読書をしてからという方もいるでしょうが、それもやめた方が良いです。
なぜなら、脳がベッドを「読書する場所」と認識してしまい、ベッドが眠る場所ではなく作業する場所であると勘違いするためです。
そうすると、眠りに落ちづらくなってしまいます。極端に言えば、アラームの設定もベッドに入る前に行っておくべきです。
また、ベッドに入ったら何か考え事もしない方が良いです。とにかく、眠るためだけにベッドに入る。この意識を持つことで、睡眠の質は大きく変わってきます。
参考サイト
全日本ベッド工業会 × NESCAFE 9月3日は「ベッドの日」
レム睡眠とノンレム睡眠の違いとは!?特徴・役割からわかる最適な睡眠法
「睡眠負債」とは?メカニズムとタイプ別にみる対策法
まとめ
この記事では、ベッドの日の由来、レム睡眠とノンレム睡眠について、睡眠負債について、睡眠についてのアドバイスを説明しました
多くの日本人と同様に、私も日々睡眠が不足しているように感じます。
日々なんとなく睡眠不足を感じながらも特に大きな問題もなく過ごせていることもあり、自分は大丈夫と思ってしまっている部分があります。
しかし、睡眠負債について詳しく知ると、自分が気づかないところで何か大きなリスクを貯めこんでしまっているのではないかと、怖くなってきました。
心がけ次第で、睡眠の質は大きく変えることができるので、まずはできることから、コツコツと取り組んでいくことで、自分の睡眠習慣の改善を図っていきたいと思います。
睡眠は1日の終わりではなく、翌日のための大切な始まりとして考えてみると、少しは睡眠への意識も高まるのではないでしょうか。
それでは、毎日がみなさんにとってgood sleep dayになるよう、祈っています!