毎月27日は「仏壇の日」であることをご存じでしょうか?
「仏壇の日」は、全日本宗教用具協同組合が制定した仏壇の記念日です。
仏壇とは、仏を祀る壇全般を言い、一般家屋に常設された、仏教の礼拝施設のことを指します。
なぜ毎月27日が「仏壇の日」となったのでしょうか。
この記事では、仏壇の日についての説明や、仏壇、お参りについてのマナーや豆知識を紹介しております。
生活にも役立つ情報もあるかと思いますので、是非最後までご覧ください。
「仏壇の日」の由来と意味
元々、「仏壇の日」とは「3月27日」でした。
由来については、「日本書紀」に記述があります。
西暦685年3月27日に、天武天皇が以下のような詔(みことのり)を出しました。
「諸國家毎に佛舎(ほとけのみや)を作り、即ち佛像と経とを置きて礼拝供養せよ」
「3月27日」のみであった「仏壇の日」ですが、8月にはお盆などもあることから、3月に限定せず、毎月27日を「仏壇の日」とするようになりました。
名古屋仏壇商工協同組合では、毎年3月27日に大須観音にて、古い仏壇を供養・焼却する仏壇供養祭を行っております。
仏壇は時間が経つと埃をかぶるものですので、「仏壇の日」をいい機会として、家に仏壇がある方は、掃除やお手入れを行ってみてはいかがでしょうか。
仏壇へのお参りの手順
仏壇へのお参りの仕方は、両親や親族から教えてもらったり、見様見真似でやっていたりと、家庭によって差があるかと思います。
ここからは、仏壇にお参りする際の手順について説明していきます。
お参りの手順は、宗派によって多少の違いがありますので、気になる方は宗派ごとの手順を予習しておくことをおすすめします。
基本のお参りの手順を知っておくことで、次にお参りを行う際の参考になれば幸いです。
手順
1.仏壇の扉を開けます。
2.仏壇の前に正座し、ご本尊に一礼します。
3.お供え物をする(水、仏飯、お花、果物、お菓子など)
4.ロウソクに火を灯し、線香を上げます。
5.合掌します。その家の宗派とお経を知っていれば、お経を唱えても良いです。
6.ロウソクの火を消します。
7. ご本尊に再び一礼して下がります。
また、仏壇へのお参りは、1日何回行っても構いませんが、最初の朝のお参りと、最後の夜のお参りの際は、上記の手順に追加して行う事があります。
最初の朝のお参りのとき
・寝起きでお参りをするのは失礼にあたりますので、顔を洗う、歯磨きをする、服を着替えるなど、最低限の身支度を整えましょう。
・仏壇の扉を開けた際に、軽く掃除をしましょう。
最後の夜のお参りのとき
・1日の感謝の意を込めてお参りします。
・ロウソクや線香の火の始末は必ず行います。ロウや灰が辺りに散ってしまっている場合は、ふき取った後に扉を閉めましょう。
仏壇にお参りすることには、日頃の感謝の意を伝えたり、自分自身を見つめ直したりする意味ももっています。
毎日のお参りはとても大切なものですので、家に仏壇がある方はもちろん、実家へ帰省した際や親族の家に行った際に、正しくお参りできるようにしておくことが必要になりますね。
お参りのマナーにはどんなものがある?
さて、お参りには様々なマナーがあることはご存じでしょうか?
ふと何気なく行っている作法が、実は失礼にあたっていたりすると、残念な気持ちになってしまいますよね。
ここからは、お参りに関するマナーを紹介していきます。
既に行ってしまった経験があるものは、次からは行わないようにしましょう。
・ロウソク、線香の火は手で仰いで消しましょう
火は口で息を吹きかけ消すのではなく、手で仰いで風を吹かせることで消すようにします。仏教では、人間の息は「穢れたもの」や「不浄のもの」として認識されているためです。
手で仰ぐ際は、指が火に触れないように注意しましょう。火の先は高温で火傷をしてしまう可能性がありますので、真横から風を送ると消しやすくなります。
・線香の本数はその家のしきたりに沿いましょう
香炉に立る線香の本数は、宗派によって異なります。
ほとんどの宗派で1~3本ほどですが、家庭により本数が違う事がありますので、立てる前に本数を聞いておく必要があります。
・鈴(りん)は実は鳴らさなくてもよい。
鈴は本来、読経の区切りをつける際や、調子を取ったりする時に鳴らすものです。
祈る前に、鈴を鳴らす家庭は多いと思われますが、普段のお参りでは鳴らす必要はありません。
ですが、マナー違反ではないため、家庭で既に習慣付いているのであれば、継続して行っても問題はないでしょう。
マナーや予備知識を事前に知っておくことで、お参りの質が高まりますので、仏様に敬意を払い、お参りを行いましょう。
合掌にはどんな意味があるの?
お参りの際に必ず行う「合掌」ですが、どのような意味合いがあるかご存じでしょうか?
なにかを願ったり、想ったり、祈ったりする際に合掌することが多いと思われます。
特に日本人は、お詫びをする時にもよく合掌しますよね。
ここからは、合掌の意味についてご紹介していきたいと思います。
合掌する姿は平和を表している
合掌とは、両手のひらを胸または顔の前で合わせることを言います。
右手は仏の象徴であり、清らかなものや知恵を表します。
左手は例えるなら自分自身であり、不浄さをもってはいますが、行動力の象徴であることを表しています。
その2つの両手のひらを合わせることにより、仏と一体になることや、仏への帰依を示すとされております。
合掌の意味とは、感謝と尊敬の心です
合掌する際は、相手に対する攻撃的な気持ちや動作が無いですよね。
相手に「敬意があります」「ありがとうございます」という気持ちを伝えるため、手を合わせて合掌するのです。
合掌する姿は、平和的で洗礼されていますよね。
心が洗われ、気持ちも新たに活力が湧いてきますので、お参りは自分にとってもプラスに働いてくれる大切な行いです。
最後に
この記事では、仏壇の日が制定された理由や、お参りの手順・マナー、合掌の意味合いについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
普段何気なく行っているお参りでも、宗派で作法が違ったり、ふとした動作が失礼にあたってしまったりと、難しいところも多くあります。
ですが、一番大切なことは、お祈りをする気持ちにありますので、基本的な手順を抑えつつ、感謝と尊敬の意を込めてお参りすることが大切ですね。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。